30代男性/自転車操業に陥りで闇金で借金
父親が他界し、田舎の小さな町工場を引き継いだ私は社長として日々努力していました。
経営のいろはも分からず苦心していましたが、どうにか会社を回すことが出来ていたんです。
ですが、世の中の不景気に煽られる形で経営が傾き始めます。
とある大口の受注が一つ消えた瞬間、会社の存続は絶望的な状況になりました。
そこで、私はどうにか会社を立て直そうと必死で仕事を探しました。
懸命にプレゼン資料を作り、慣れない営業でとにかく仕事を見つけようとしたんです。
しかし、どこも不景気なのか仕事はなかなか見つからず、数ヶ月後には倒産という文字が見え始めました。
私はなりふり構わず営業して、どうにか仕事の受注を手に入れることが出来たのです。
相場の半額以下での仕事の受注のため、会社の負担はかなり大きかったです。
それでも、仕事が無いよりかはマシな状態であり、これを機会に次の仕事が見つかるかもしれません。そう信じたい一心でその場凌ぎの自転車操業を続けていました。
結局は焼け石に水だったんです。
自転車操業に陥った会社が辿る先は、過剰な残業による従業員のストレスによる反発です。
はっきり言って倒産するしか無いと感じるようになりました。
でも、父親から任された会社を自分が潰してしまうことはひどく苦しかったんです。今を乗り切ればまた仕事が手に入るかもしれない、そんな思いがどうしても拭いきれなかったんです。
私はお金を工面しようと銀行に事業計画書を提出したり、投資家を探したりもしました。
ですが、事業計画に将来性が無いと言われ、投資家もまったく見つかりません。
途方に暮れた私が手を出したのは、闇金でした。
消費者金融では既に借りられないほど、私自身の借金が膨れ上がっていたからです。
従業員から無言のプレッシャーを受け、私は会社を存続させたい気持ちだけで闇金へ飛び込んだのです。
曲がりなりにも会社の社長であり、土地などの財産も持っている私に闇金は快く100万円を貸してくれました。その後もちょくちょくと借金を積み重ね、闇金の借金は300万円を超えていました。
闇金を利用してから数ヶ月後、闇金でお金を借りようとした私は驚愕します。
返済金額が1000万円を超えていたのです。
そして、会社がある土地を売却して資金を作り、借金を返済するように迫って来ました。
私は心のどこかで闇金を甘く見ていたのです。
張りつめた糸が切れてしまった私は、倒産を受け入れて従業員へと説明しました。
闇金に借金があることを告白すると、弁護士に相談するように説得されたのです。
従業員に心配される社長だから経営がうまく行かないのでしょう。
法律事務所へ行き、闇金業者との話し合いが行われました。
借りたお金は全額返済し、違法な金利については無効とすることで合意となったのです。
会社を倒産させてしまった私は、これから第二の人生を探すつもりです。