闇金融今後の動向
2000年代には貸金業法の改正や警察の取り締まり強化によって、店舗を持つ闇金融が絶滅しました。
全国的に闇金は衰弱していますが、今後完全に絶滅する日は来るのでしょうか?
当サイトの動向分析では、完全に闇金がなくなるまでは時間がかかりそうです。
また、消費者金融や銀行系カードローンの衰退や、闇金と類似した悪質業者の被害が問題視されるように変化した影響から、再び闇金の勢力が拡大する懸念があります。
借金の需要が残る限り闇金融は絶滅しない!?
闇金は、消費者金融や銀行などの正規業者から借入できない人をメインターゲットにしています。
そして、正規業者の審査に通らないけどお金が必要な人の需要はいつの時代も一定数あります。
2005年の改正貸金業法の施行をきっかけに店舗型業者の闇金は姿を消して、消費者金融を中心にした正規の貸金業者も大きく衰退しました。
消費者金融のシェアを落とした一方で、大きく成長したのが銀行系カードローンです。
規制強化で広告の制限を受けていた消費者金融を尻目に、2010年代中盤までは銀行系カードローンが頻繁にテレビCMを流して大きなシェアを獲得しました。
なお、現在は銀行系カードローンの過剰な貸付が問題視され、各銀行が自主規制を敷いて成長がストップしました。
しかし、銀行系カードローンは消費者金融よりも審査が厳しいので、流れたユーザーの大半は消費者金融での借入に問題なかった人たちです。
審査に通らない人たちは?
重要になるのはグレーゾーン金利の撤廃などで消費者金融の審査が厳しくなる中で、それまで消費者金融を使っていたけど規制強化で審査に通らなくなってしまった人達です。
正規の貸金業者から借入できない人が増える一方で闇金が成長しなかったのは、他の資金調達法が普及した影響もあります。
代表的な事例がクレジットカード現金化、ギフト券買取、ソフト闇金などです。
ほかにも資金難で困る人が増えた影響から、投資やファクタリングなどでお金に困っている人に近づいている悪質業者による詐欺被害も拡大しました。
つまり、2000年代中盤に闇金が大きく衰退してからも、違法業者や詐欺業者によるトラブルや被害が増えたので、国内全体での被害総額は減っていません。
また、一部の闇金は振り込め詐欺などを行う特殊詐欺グループに転身したので、国内全体での詐欺被害額は大幅に上昇しています。
現在の状況
ここまでが、2000年代中盤以降の闇金融の動向です。
2019年現在、未だに消費者金融の減退は進んでいて、新しく登場した資金調達法や詐欺まがいのサービスもネット上の情報が増えたり摘発事例ができたりしたことで需要が減少しています。
しかし、消費者金融の審査に通らない中で借金したい人の数に大きな差はなく、非正規労働者の増加など現代の統計を見ると借金する需要は増加している可能性があります。
いつの時代でも、消費者金融から借金できないユーザーの受け皿は必ず必要です。
過去10年は闇金以外の方法が受け皿としてのシェアを伸ばしましたが、今後は他の資金調達法が一巡して、再び闇金のシェアが拡大するかもしれません。
闇金は今後も生き残る
一部でソフト闇金が摘発された事例もありますが、現在も生き残っている闇金は、巧みな手口で警察の取り締まりを回避しています。
電子送金サービス、仮想通貨など、お金の受け渡し方法が多様化しているので、何かのキッカケで再び闇金融ブームを起こることが懸念されています。
ただし、紹介しているように闇金以外にも悪質な資金調達サービスや詐欺業者が多数いるので、闇金だけの被害が減少しても多くの問題が残ります。
極論を言えば、かつて行われていたグレーゾーン金利を復活させるなど、正規業者から借金できない人の数を減らすしか根本的な解決法はありません。
再び、借金への規制を緩和することは考えにくいので、この先も闇金融は一定のシェアを確保しながら生き残っていく可能性が高いです。