投資詐欺
2014年にNISA(ニーサ)という少額投資非課税制度により、投資という行為は一般市民にも敷居が低くなり、ちょっとしたブームにもなっています。
なにしろ投資とは、うまくいきさえすれば特にこれといった労力を使わずに多額のお金を儲けることができるわけですから、誰からしてみても魅力的です。
しかし、「投資で儲けたい!」という誰でも持つ欲求を逆手に取った詐欺が横行しているので注意が必要です。
具体的な手口
投資詐欺の手法は多岐に渡り、投資の種類も多くあります。
代表的なものとして挙げられるのは以下。
未公開株
これから上場する有望な会社があるように見せかけて、偽物の未公開株を売り渡し、その後に姿を消す。
社債
会社が資金調達するために発行する債券を買い取ることにより、利息が永続的にもらえると謳う。
その後に計画的に会社が倒産する。
外国通貨
これから発展して価値が劇的に上がると謳い、外国通貨を購入させる。
しかし実際はそんな価値はまったくなく、日本円に戻すことすらできない。
新規事業への投資
架空の事業への投資話を持ち込み、権利書を売り渡す。
そもそも実体がないので権利書はなんの価値もない。
東京オリンピック
最近なにかと話題になるオリンピックに便乗し、架空の土木事業や宿泊事業への投資をさせる。
簡単に説明しましたが、主な手口はこのようなものになっています。
巧妙化する手口
上記のような手口を見て、
「こんなものに引っかかる人、本当にいるの?」
「自分は絶対に引っかからない自信がある。」
このように思われた方は多いかもしれません。
しかし、このように考える人こそ実は一番危ないのです。
正常化バイアスといい、心理学的に実証されていることで、人は過去の経験から自分だけは大丈夫だと思ってしまう傾向が少なからずあるのです。
しかし、そこに過去の経験で判断できる範囲を超えた手口が待っていたとき、その人はいとも簡単に騙されてしまうのです。
例えば、劇場型といって複数の詐欺師があらゆる方面からアプローチをかけることで信憑性を高めていき、1対1では信じることがなかった被害者を巧みに騙すような手法も最近は多いようです。
また、金融庁や証券取引等監視委員会など、あたかも公的機関であることを装って騙してくるケースも多くあります。
一度詐欺に遭ってお金を騙された人は、とても悔しい思いと絶望感に苛まれます。
そこへうまく擦り寄ってきて、「騙し取られたお金を取り返せます。」などと甘い言葉をかけ、そこでまた手数料などの名目で金銭を騙し取るのです。
このような二重三重の被害報告も多く、投資詐欺の手口はいまもなお多種多様に進化していってるのです。